トレーニング

筋力トレーニング36回でも12週間で3.4kgの除脂肪喪失は止まらなかった

要点

頭頸部がん患者50人を無作為に割り付け12週間で36回の漸進的筋力トレーニングを行ったDAHANCA 31試験では、訓練群の除脂肪軟部組織量は3.4±0.6kg(6%)減り、対照群の3.4±0.6kg(6%)と差がなかった。チェストプレスとレッグプレスの1RMも両群で同じように低下した。しかし30秒椅子立ち上がりと30秒アームカールの遂行は訓練群で有意に改善した(P<0.05)。重度のエネルギー不足下で筋力トレーニングは筋量を守れなかったが、できる動作は守った。

「大きく減量するときもウエイトを続ければ筋肉は守れる」——この文はどこまで正しいのか。この無作為化比較試験は、それが壊れる地点を示す。12週間で36回の漸進的筋力トレーニングを行ったのに、除脂肪量の減少は何もしなかった群と小数点まで同じだった。

デンマークのDAHANCA 31試験は、化学放射線同時併用療法を開始する頭頸部がん患者を12週間の漸進的筋力トレーニング(計36回)運動なしの通常ケアに無作為割り付けした。二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)で体重・除脂肪軟部組織量・脂肪量を、チェストプレスとレッグプレスの1RMで最大筋力を、30秒椅子立ち上がり・30秒アームカール・階段昇りで機能的遂行能力を、ベースラインと6週・12週・6か月・12か月に測定している。

筋量と1RM——差はまったくなかった

12週間で訓練群は体重8.6±1.0kg(10%)除脂肪軟部組織量3.4±0.6kg(6%)脂肪量5.2±0.8kg(21%)を失った。対照群は体重7.4±1.0kg(9%)除脂肪軟部組織量3.4±0.6kg(6%)脂肪量4.0±0.8kg(17%)を失った。いずれの項目にも有意な群間差はなかった。1RMも両群で同じように低下した。

居心地が悪いのはプロトコルが薄いからではない。36回の漸進的負荷セッションは本物のプログラムだ。それでも12週で体重の10%が落ちるエネルギーと炎症の状態では、その刺激が除脂肪量の曲線を変えられなかった。トレーニングが喪失の速度に勝てない条件は実在する。

ではトレーニングは何を守ったのか

機能検査で群が分かれた。30秒椅子立ち上がりと30秒アームカールの遂行は訓練群で有意に改善した(P<0.05)。筋量が減り1RMが落ちた同じ期間に、実際に反復してこなせる回数は増えた。組織量と遂行能力が別の軸だという筋のサイズと筋力の相関の話が、ここでは極端な形で現れている。

これは些細な副次結果ではない。椅子から立ち上がり腕を繰り返し上げる能力は、治療期間中に自立して生活できるかを決める。著者らの結論もその二文に尽きる——筋力トレーニングは除脂肪量と最大筋力の喪失を抑えなかったが、機能的遂行能力は有意に向上させた

最大の限界はサンプルサイズだ。事前計算で必要とされた症例数は72人(各群36人)だったが、実際の登録は50人(各群25人)にとどまった。計画された検出力に達しておらず、「差がない」は「効果がないことの証明」ではない。より小さな真の効果があっても、この規模では検出できない。また対象は化学放射線療法中の患者であり、自発的なダイエットと同じ生理状態ではない。がん治療中の運動全般はがん治療と運動、栄養と運動を合わせて扱う問題はフレイルと栄養・運動にまとめてある。治療中の運動は医療チームと決める問題だ。

減量期のリフターが持ち帰るもの

一般化できる原理は一つだ。不足の大きさがトレーニング刺激より大きければ、トレーニングは結果を覆さない。筋量防衛の第一変数はトレーニングではなく不足の大きさとタンパク質摂取であり、ウエイトはその上に乗るものである。この順序を逆にして「運動でカバーする」と計画すれば、この論文と同じ結果になる。続けられる不足の設計は続けられる食事にある。

そして減量期に何を記録するかが変わる。この試験では1RMはトレーニングの有無にかかわらず落ちたが、反復ベースの遂行は上がった。深い不足の局面で1RMだけを見ていると、トレーニングが失敗しているように見える。同じ重量で何回できるか、30秒で何回立ち上がれるかといった反復ベースの指標を併記すれば、実際に維持されているものが見える。

マッスルインデックスを使っている人は一つ先に知っておくとよい。この指標はビッグ3の1RMに体重係数を掛けて出る。だから減量期に1RMが落ちても体重が一緒に落ちれば、スコアは1RMほど急には下がらない。これはスコアが甘いのではなく、もともと相対筋力を測る指標だからだ。絶対筋力がどれだけ落ちたかを見るには、素の1RMの数値を別に見る必要がある。

よくある質問

大きなエネルギー不足の中でウエイトをすれば筋量は守れるか?

常にそうとは限らない。頭頸部がん患者50人が12週間で36回の漸進的筋力トレーニングを行った無作為化比較試験では、除脂肪軟部組織量の減少は訓練群3.4±0.6kg(6%)、対照群3.4±0.6kg(6%)で差がなく、1RMも両群で同じように低下した。

ではその期間のトレーニングは無意味だったのか?

無意味ではなく、別の軸で効いた。30秒椅子立ち上がりと30秒アームカールの遂行が訓練群で有意に改善した(P<0.05)。筋量と最大筋力は守れなくても、実際の動作遂行能力は向上したということだ。

この試験の最大の限界は何か?

症例数の不足だ。事前計算では72人(各群36人)が必要だったが、実際の登録は50人(各群25人)だった。したがって差がなかったという結果を、効果がないことの証明として読むべきではない。

通常のダイエットにも同じ結論が当てはまるか?

数字は当てはまらない。対象は化学放射線療法中で、12週で体重の10%が落ちる極端な状態だった。移せる原理は、不足の大きさがトレーニング刺激より大きければトレーニングだけで結果を戻せない、という点である。

減量期には何を記録すべきか?

1RMだけでは足りない。この試験では1RMはトレーニングの有無にかかわらず落ちたが、反復ベースの遂行は訓練群で向上した。固定重量での反復回数や30秒椅子立ち上がりのような指標を併記すれば、維持されている能力が見える。

出典: PubMed

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