トレーニング

自重ジャンプ訓練に血流制限を足したら大腿直筋の動員量が上がった

要点

エリートバスケットボール選手20人を自重プライオメトリクス単独(10人)とプライオメトリクス+血流制限(10人)に分け、週3回8週間トレーニングさせた結果、膝屈曲・伸展の180°/s最大トルクは両群とも有意に向上した(すべてp<0.01)。群間差が出たのは60°/sの股関節伸展・屈曲(p=0.036〜0.002)、大腿直筋の筋電図RMS(右p=0.004、左p=0.020)、反動ジャンプ高(群×時間の交互作用p=0.042)だけで、腓腹筋・前脛骨筋・大腿二頭筋では出なかった(すべてp>0.05)。

血流制限(BFR)は通常低強度のウエイトと組み合わせて使う。この研究は相手を入れ替え、バーベルなしの自重プライオメトリクスにカフを巻いたらどうなるかを調べた。答えは「すべてが良くなった」ではなく「一部だけ」であり、その一部がどこかが実質的な内容だ。

エリートバスケットボール選手20人を無作為に2群へ割り付けた — プライオメトリクス単独10人、プライオメトリクス+BFR10人。両群とも同じ自重プライオメトリクスを週3回、8週間実施した。前後に股関節と膝の屈曲・伸展の最大トルク、および筋電図から得たRMS値を測定した。

両群が同じように伸びた項目は何か

180°/sで測定した膝屈曲・伸展の最大トルクは両群とも有意に向上した(すべてp<0.01)。著者らは両側下肢の筋力が向上し非利き脚で特に顕著だったと報告しており、この項目では群間の大きさの差は明確でなかった。つまり速い速度域の膝トルクは、カフなしの自重ジャンプだけでも8週間で上がる。

血流制限が実際に足したものはどこか

差が出たのは3か所だ。60°/sの股関節伸展・屈曲でBFR群の向上が大きく(p=0.036〜0.002、η=0.225〜0.233)、大腿直筋のRMSがより大きく増加し(右p=0.004、η=0.385/左p=0.020、η=0.266)、反動ジャンプ高で群×時間の交互作用が有意だった(p=0.042、η=0.210)。

一方で腓腹筋・前脛骨筋・大腿二頭筋のRMSはどちらの群でも有意に変化しなかった(すべてp>0.05)。カフが生んだ追加刺激は脚全体に均等に広がったのではなく、大腿四頭筋、とくに大腿直筋と股関節伸展筋に集中したということだ。カフを大腿の上部に巻くことを考えれば、位置と結果は一致している。

なぜ遅い速度のトルクだけ分かれたのか

差が出た股関節の測定は60°/s、差が出なかった膝の測定は180°/sだった。遅い角速度は最大筋力に近く、速い角速度はパワーに近い。プライオメトリクス自体がすでに速い側を強く刺激するため上乗せの余地が小さく、BFRが埋めたのはプライオメトリクスが単独では届かない最大筋力側だったという解釈が自然だ。

1群10人、計20人である。著者らの結論もどちらか一方に傾いていない — 両プロトコルとも両側下肢の筋力を向上させその大きさは群間で大きく変わらなかったが、筋力と神経筋動員の面ではBFR併用が優れていたという結論だ。8週間、自重負荷、バスケットボール選手という条件の外へそのまま持ち出さないこと。痛みやしびれが出たらカフは直ちに外す。BFRを通常のトレーニングに足す話は通常訓練へのBFR追加、脚になぜ重い負荷が依然必要かはBFR下肢には重い負荷が必要にまとめてある。

ビッグ3の記録にはどう反映されるか

直接には反映されない。この研究が測ったのは等速性機器のトルクと筋電図、ジャンプ高であってバーベルの1RMではない。マッスルインデックスはスクワット・ベンチ・デッドリフトの1RMから出る値なので、自重ジャンプ+カフ8週間がその数字をどれだけ動かすかはこのデータからは分からない。

使いどころは代替ではなく補助だ。重いスクワットを入れづらい週や、脊柱への負荷を増やさずに下肢のボリュームを足したいときに、自重プライオメトリクス+BFRは股関節伸展の最大筋力とジャンプ高に刺激を残す低負荷の選択肢になる。記録は別々に残すこと — ジャンプ高とビッグ3の1RMは同じ軸ではなく、一方が上がったからもう一方も上がったと書いてはいけない。

よくある質問

血流制限を自重ジャンプ訓練に使ってもよいか?

この研究では効果があった。エリートバスケットボール選手20人が週3回8週間自重プライオメトリクスを行ったとき、血流制限を併用した群は60°/sの股関節伸展・屈曲トルク(p=0.036〜0.002)と反動ジャンプ高(p=0.042)でより大きく向上した。

血流制限を足すと脚全体が良くなるのか?

いいえ。筋電図RMSが有意に大きく増加したのは大腿直筋だけで(右p=0.004、左p=0.020)、腓腹筋・前脛骨筋・大腿二頭筋では両群とも有意な変化がなかった(すべてp>0.05)。

カフなしの自重プライオメトリクスだけでも筋力は上がるか?

上がる。両群とも180°/sの膝屈曲・伸展最大トルクが有意に向上し(すべてp<0.01)、非利き脚の向上が特に顕著だった。この項目では群間の大きさの差は明確でなかった。

なぜ股関節だけで群間差が出たのか?

差が出た股関節の測定は60°/s、差が出なかった膝の測定は180°/sだった。遅い角速度は最大筋力に近く、プライオメトリクスがすでに強く刺激する速い側には上乗せの余地が少ないという解釈と一致する。

この組み合わせはスクワットやデッドリフトの1RMを代替するか?

代替しない。この研究は等速性トルク、筋電図、ジャンプ高を測定しただけで、バーベルの1RMは測っていない。脊柱への負荷を増やさずに下肢の刺激を足す補助手段と見るのが妥当だ。

出典: PubMed

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