研究

バルクアップの脂肪比率 — 体重104kgを超えると筋肉1kgに脂肪1.8kg

要点

大学アメフト選手27名を4年間DXAで追跡したところ、総体重104kgを超えるラインマン群では除脂肪量が1kg増えるごとに脂肪が1.8kg増えていた。104kg未満の非ラインマン群ではこの脂肪の同時増加自体が見られず、総体重と除脂肪量の相関はr = 0.98とほぼ1対1だった。4年間の除脂肪量の増加は平均3.3kg(4.1%)、骨密度は3%で、両群に差はなかった。

大学アメフト選手27名を4年間DXA(二重エネルギーX線吸収測定)で追跡した結果、総体重が104kgを超えるラインマン群では、除脂肪量が1kg増えるごとに脂肪が1.8kg増えていた。筋肉1に対して脂肪が約2ついてくる比率だ。同じ期間、非ラインマン群では除脂肪量の増加と脂肪の増加に相関そのものがなかった(ラインマンのみ r = 0.54、p = 0.004)。

増加幅そのものは大きくない。4年間で除脂肪量は平均3.3 ± 2.4kg(4.1%)、骨密度は0.04 g/cm²(3%)増え、両群の増加幅に統計的な差はなかった。大学4年を丸ごと使って筋肉は3〜4%増えるということだ。問題は、その間に増えた体重がすべてその3〜4%ではない点にある。

何kgから脂肪のほうが多くつくのか

体重に対する除脂肪量の回帰直線が両群で交わる地点が、総体重104kgだった。これより下の非ラインマンは総体重と除脂肪量の相関がr = 0.98でほぼ1対1、増えた体重がそのまま筋肉だった。104kgを超えるラインマンはr = 0.80まで緩み、その緩んだぶんが脂肪に回った。基準値の差も大きい。ラインマンは総体重124 ± 15kgで脂肪量31 ± 9kg、非ラインマンは89 ± 15kgで脂肪量15 ± 5kgである。

5kgのバルクアップで実際に何がつくのか

すでに104kgを超えた状態で5kg増やすとする。1.8対1の比率をそのまま当てはめると、筋肉が約1.8kg、脂肪が約3.2kgだ。体重計の数字の3分の2が脂肪ということになる。104kg未満で同じ5kgを増やせば、配分ははるかに筋肉側に寄る。

相対筋力スコアにはどう出るのか

相対筋力スコアはビッグ3の合計を体重で補正する。つまり脂肪は分母だけを大きくし、分子は増やさない。先の例の脂肪3.2kgはスクワットにもベンチにもデッドリフトにも一切寄与しないまま、体重係数だけを削る。筋肉1.8kgが生んだ1RMの伸びがその係数の損失を上回って初めてスコアは上がり、104kgを超えるとこの計算はどんどん不利になる。計算機にバルクアップ前後の体重を入れれば、ビッグ3の合計が同じままでスコアがどれだけ下がるかがすぐ分かる。

標本はラインマン13名、非ラインマン14名の計27名だ。2020年はCOVIDで測定を行っていないため、1年目・3年目・4年目のデータしかない。著者ら自身も標本規模が小さいとして、より大きなコホートでの確認が必要だと明記している。104kgという数字はこの27名の回帰直線が交わる地点であって、誰にでも当てはまる生理学的な境界線ではない。

バルクアップ期にどこまで脂肪の増加を許容するかは、結局のところ食事が決める。数週間で終わらない食事の選び方は続けられる食事で扱った。

よくある質問

バルクアップすると筋肉と脂肪はどの比率でつくのか?

総体重104kgを超える領域では、除脂肪量1kgあたり脂肪1.8kgがついた。大学アメフト選手27名を4年間追跡したDXAデータの数値だ。104kg未満ではこの脂肪の同時増加は観察されず、総体重と除脂肪量の相関はr = 0.98とほぼ1対1だった。

体重何kgからバルクアップが不利になるのか?

この研究では総体重104kgが分かれ目だった。両群の体重対除脂肪量の回帰直線が交わる地点であり、これを超えると相関係数が0.98から0.80まで緩み、余った分が脂肪に回った。標本が27名なので個人ごとの境界は異なりうる。

4年間で筋肉はどれだけ増やせるのか?

訓練された大学選手で、4年間の除脂肪量の増加は平均3.3kg、率にして4.1%だった。骨密度は同じ期間に3%増えている。ラインマンと非ラインマンで増加幅に差はなかった。

バルクアップすると相対筋力スコアは下がるのか?

ビッグ3の記録が変わらないまま体重だけ増えれば下がる。スコアはビッグ3の合計を体重で補正するため、増えた脂肪は分母だけを大きくするからだ。増えた筋肉が生んだ1RMの伸びが体重係数の損失を上回って初めてスコアは上がる。

出典: PubMed

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