世界トップの持久系選手はウエイトと高強度有酸素を同じ日に置かない
要点
五輪・世界選手権・ワールドカップのメダリストであるクロスカントリースキー選手17名(男性10名、女性7名、平均28.4歳)の最高シーズンの練習日誌を分析した結果、筋力トレーニングは年間練習時間の約6%(年50時間)、およそ5日に1回のペースで年76セッションだった。筋力セッションの約90%が有酸素セッションと同じ日に組まれ、その相手は平均44分の低強度有酸素だった。高強度有酸素が筋力トレーニングと同じ日に置かれることはほとんどなく、同一セッション内に入ることは事実上なかった。
ウエイトと有酸素を同じ日にやってよいかは古い論争だ。世界最高の持久系選手の実際の日誌を見ると、答えはどの有酸素かによる。低強度とは90%組み合わせ、高強度とはほとんど組み合わせていない。
筋力トレーニングはどれだけ入れていたか?
対象は五輪・世界選手権・ワールドカップのメダリスト17名(男性10名、女性7名、平均28.4歳)。それぞれ最高成績を出したシーズンの詳細な練習日誌を提出した。筋力トレーニングは年間練習時間の約6%、時間にして年50時間ほど、頻度は約5日に1回で年76セッションだった。
内容はコアとヘビーストレングスが中心。女性選手は男性選手よりヘビーストレングスを有意に多く行っており、年20時間ほどだった。
何と組み合わせたのか?
筋力セッションの約90%が有酸素セッションと同じ日に組まれた。相手となった有酸素は平均44分の低強度運動である。つまり筋力トレーニングを休養日に切り離したのではなく、負荷の軽い有酸素の日に乗せていた。
逆に高強度有酸素が筋力トレーニングと同じ日に置かれることはほとんどなく、同一セッション内に入ることは事実上なかった。筋力トレーニングを行った日は、前後の日に比べて有酸素の量と負荷が有意に低かった。
なぜここまで離すのか?
著者らはこれを、二つのトレーニング形態の時間的間隔を最大限に取るための実務的戦略と解釈している。目的はどちらも犠牲にせず、両セッションの質を保つことだ。一日にきついものを二つ入れれば、後に来る方が必ず損をする。
17名の練習日誌を振り返った後ろ向き分析であり、この配置が成績の原因だという実験的証拠ではない。彼らの主目標は持久系種目であり、筋力は補助手段だ。ビッグ3の記録が目標のリフターは比重が正反対になる。
マッスルインデックスにどう表れるか
比重は逆にすべきだが、配置の原則はそのまま使える。マッスルインデックスを動かすのはビッグ3の1RMなので、筋力が主セッションであり、有酸素はその質を削らない範囲で付ける。スクワットやデッドリフトの日にインターバルや高強度有酸素を乗せず、その日の有酸素は低強度で40分前後に切るという規則一つで足りる。
有酸素を完全に外す必要はない根拠はゾーン2有酸素はセット間の回復装置だに、両者を置き換えられない理由は筋力トレーニングと有酸素は互いを代替しないにまとめてある。休養日の配分は休養日は週1回が最低線を参照するとよい。
よくある質問
ウエイトと有酸素を同じ日にやってよいか?
有酸素の強度による。世界トップのクロスカントリー選手の練習日誌では、筋力セッションの約90%が平均44分の低強度有酸素と同じ日に組まれた一方、高強度有酸素が同じ日に置かれることはほとんどなかった。
エリート持久系選手は筋力トレーニングをどれだけ行うのか?
年間練習時間の約6%、時間にして年50時間ほどだ。頻度は約5日に1回で年76セッション、内容はコアとヘビーストレングスが中心だった。
男女差はあったか?
あった。女性選手は男性選手よりヘビーストレングストレーニングを有意に多く行っており、年間で約20時間だった。
筋力トレーニングの日の有酸素負荷はどうだったか?
前後の日より有意に低かった。筋力セッションは有酸素負荷を落とした日に配置され、同じ日に行われた有酸素は平均44分の低強度だった。
リフターもこの配置をそのまま真似すべきか?
比重は逆にしたうえで原則は使える。ビッグ3が目標なら筋力が主セッションであり、その日の有酸素は低強度で40分前後に切り、インターバルは別の日に移すのがこの日誌のパターンに合う。
出典: PubMed