栄養

運動後の牛乳はギリシャヨーグルトより骨の指標を良くした

要点

20名を対象とした無作為クロスオーバー試験で、プライオメトリクス・レジスタンス運動・高強度インターバル自転車を組み合わせたセッションの後に牛乳、ギリシャヨーグルト、糖質飲料、水をそれぞれ摂取させた。24時間時点で骨形成指標のP1NPは牛乳が水より有意に高く(p=0.039)、破骨細胞を呼ぶ信号であるRANKLは牛乳が他の三条件すべてより低かった(p<0.05)。同じ乳製品でもマトリックスが違えば結果は分かれるということであり、運動後の骨リモデリングを意識するならギリシャヨーグルトより牛乳の方が根拠は先行している。

運動と乳製品がそれぞれ骨に良いという話は古い。新しいのはどの乳製品かという点だ。この研究は、牛乳とギリシャヨーグルトが同じ乳製品でありながらマトリックスが異なるため、運動後の骨指標に違う作用をしうるという前提から出発し、実際に結果は分かれた。

どのように調べたのか?

参加者はレジスタンストレーニング未経験の20名(男性8、女性12、平均22.7±4.0歳、BMI 22.0±2.3)。同じ人が四条件すべてを経験する無作為クロスオーバー設計である。運動はプライオメトリクス、レジスタンス運動、高強度インターバル自転車を組み合わせた一回の複合セッションだった。

  • 摂取条件は四つ: 牛乳、ギリシャヨーグルト、糖質飲料、水。
  • 摂取タイミング: 運動直後、1時間後、12時間後の三回。
  • 採血: 運動前、直後、1時間、4時間、24時間。
  • 測定項目: P1NP(骨形成)、CTX(骨吸収)、副甲状腺ホルモン、RANKL、OPG:RANKL比。

24時間後に何が違ったのか?

要点は二つだ。骨に新しくコラーゲンを敷く働きを反映するP1NPが24時間時点で牛乳では水より高かった(p=0.039)。そして破骨細胞を呼んで骨を削る側の信号であるRANKLが牛乳では他の三条件すべてより低かった(p<0.05)。

つまり牛乳条件では作る側の信号が上がり、壊す側の信号が下がった。P1NP、CTX、副甲状腺ホルモン、RANKL、OPG:RANKL比のすべてで条件×時間の交互作用が認められ、P1NPには性別による違いも見られた。

なぜギリシャヨーグルトは牛乳ほどではなかったのか?

それこそ研究者が検証しようとした仮説である。牛乳とギリシャヨーグルトはどちらもタンパク質とカルシウムを含むが、乳製品マトリックスが異なる。液体か半固形か、ホエイとカゼインの比率、水分とともに変わる吸収の速さ。その違いが24時間後の血中指標に現れた。タンパク質の総量さえ合わせればよいという見方では説明できない部分だ。

糖質飲料条件が牛乳ほどの変化を生まなかった点も併せて見たい。運動後のリカバリードリンクを糖質中心に組むと、筋肉側は満たしても骨側の指標はそのままになりうる。タンパク質のタイミング対総摂取量の結論と矛盾はしない。ここで分かれたのはタイミングではなく何を摂ったかだ。

リフターにとっての意味

マッスルインデックスはスクワット・ベンチプレス・デッドリフトの1RMで計算され、骨密度は入らない。しかし高重量を挙げ続けられる土台は骨である。トレーニング刺激そのものが骨を刺激することは筋力トレーニングと骨密度骨密度のためのトレーニング用量で整理済みで、この研究はその刺激の後に何を摂るかが回復の信号を変えうる、という部分を足している。

実践に落とすと単純だ。トレーニング後のタンパク質を確保しつつ、その一つを牛乳にしてみること。ホエイの用量上限を扱ったホエイ30gでの頭打ちと併せて読むと全体像が揃う。すでに骨密度が低い状態なら負荷で戻した骨粗鬆症が先だ。

この研究が測ったのは骨密度ではなく血中の骨状態指標であり、観察期間は24時間、参加者はレジスタンストレーニング未経験の20名である。牛乳が長期的に骨を強くする証明ではなく、乳糖不耐症であればそもそも当てはまらない。

よくある質問

運動後に牛乳を飲むと骨に良いのか?

急性指標のレベルではそう示された。無作為クロスオーバー試験で運動24時間後の骨形成指標P1NPが牛乳条件では水より高く(p=0.039)、骨吸収を促すRANKLは牛乳がギリシャヨーグルト・糖質飲料・水のいずれよりも低かった(p<0.05)。

牛乳とギリシャヨーグルトではどちらが良いのか?

この研究では牛乳だった。どちらも乳製品だが乳製品マトリックスが異なり吸収の様相が分かれ、24時間時点のP1NPとRANKLの双方で牛乳がより有利な方向を示した。タンパク質の総量さえ合わせれば同じ、という仮定は成り立たなかった。

運動後は糖質飲料では足りないのか?

この研究では糖質飲料条件は牛乳ほどの骨指標の変化を生まなかった。筋肉の回復のための糖質摂取とは別の話なので、骨も併せて考えるなら乳製品由来のタンパク質を一つ加える方がよい。

牛乳はいつ、何回摂らせたのか?

運動直後、1時間後、12時間後の三回にわたって摂取させ、採血は運動前と直後、1時間、4時間、24時間の各時点で行われた。差がはっきり出たのは24時間時点である。

この結果から骨密度が上がると言えるのか?

まだ言えない。測定されたのは骨密度ではなく血中の骨状態指標で、観察期間は24時間、参加者はレジスタンストレーニング未経験の20名だった。急性反応を有利な方向に管理できるという意味であり、長期的な骨密度増加の証明ではない。

出典: PubMed

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