研究

重いスクワットのあとジャンプが伸びたのは19人中11人だけだった

要点

大学バスケットボール選手19人に1RM80%のスクワットを速度低下5%、10%、20%の条件で行わせ、3分後と8分後にジャンプを測定した結果、ジャンプ高・最大パワー・リアクティブストレングス指数のいずれにも集団レベルの有意な改善はなかった(すべてP>0.05)。個人別に見ると反応者が最も多かったのは20%速度低下条件で、19人中11人(58%)だった。相対筋力は反応の有無を予測しなかった。

重いスクワットのあとはジャンプが跳ぶ — 活性化後パフォーマンス増強(PAPE)と呼ばれる現象だ。この研究はそれを速度低下を基準に強度を変えた3条件で検証し、答えは集団平均と個人のあいだで分かれた。

大学バスケットボール選手19人が慣熟セッション3回を経て、無作為クロスオーバー設計で4条件すべてを実施した — 対照(受動的休息)、そして1RM80%のスクワット速度低下5%、10%、20%で打ち切る条件だ。スクワットの3分後と8分後に反動ジャンプ高、最大パワー、修正リアクティブストレングス指数を測定した。

集団平均では何も出なかった

線形混合効果モデルによる分析では、ジャンプ高・最大パワー・リアクティブストレングス指数のいずれにも条件×時間の交互作用も条件の主効果も認められなかった(すべてP>0.05)。5%でも20%でも、受動的休息と比べて集団レベルの差はなかったということだ。

著者らが示す解釈が実用的には最も有益だ。十分なウォームアップそのものがすでにパフォーマンスの天井を作っている可能性がある。体がすでに準備できているなら、重いスクワットをもう一つ足しても引き上げる余地は残っていない。

個人別に見ると半分を少し超えた

研究者らは意味のある変化の基準(最小価値変化、SWC)を算出して個人の反応者を判定した。反応者が最も多く出た条件は20%速度低下で、19人中11人(58%)だった。

反復回数を合わせて見ると絵が合う。5%と10%条件の反復回数に互いの差はなかったが、両条件とも20%条件より有意に少なかった(P<0.01)。つまり反応者が最も多かった条件は、実際に最も多く働いた条件でもある。

強い人ほど反応するという通説は出なかった

PAPEはしばしば相対筋力が高い人ほど現れやすいと言われる。この研究は相対筋力を平均中心化してモデルに投入したが、筋力×時間×条件の交互作用は有意ではなかった。誰が反応するかは筋力では説明されなかったということだ。

選手19人、クロスオーバー設計、競技はバスケットボールである。著者らの結論は明快だ — 1RM80%で速度低下5〜20%のスクワットは集団レベルのジャンプ改善を生まず、個人差が大きいためPAPEは個別化して処方する必要がある。コントラストトレーニングの休息時間はコントラスト訓練の休息30秒、速度低下をトレーニング基準に使う話は速度低下10%と20%にまとめてある。

では自分は反応者なのか

この研究が残す実務的な指示はひとつだ。平均値で判断せず、自分で測れ。方法は研究が使ったものと同じでよい — ウォームアップ後にジャンプを数回測って基準を取り、重いスクワットのあと3分と8分で測り直す。これを別々の日に何度か繰り返す。毎回上がるなら反応者、方向がばらつくなら測定のばらつきだ。

筋力スコアとの結びつきは否定形なので、かえってはっきりしている。相対筋力が反応を予測しなかった以上、「スコアが高いから自分は反応者だろう」という推論はこのデータに根拠がない。マッスルインデックスはビッグ3の1RMから出る値であり、その数字は5分後にジャンプがどれだけ上がるかについて何も語らない。両者は別々に記録し、別々に判断すべきだ。

よくある質問

重いスクワットをするとジャンプは伸びるか?

この研究では集団平均として確認されなかった。大学バスケットボール選手19人が1RM80%のスクワットを速度低下5%、10%、20%で行い3分後と8分後に測定したところ、ジャンプ高・最大パワー・リアクティブストレングス指数のいずれにも有意な条件効果はなかった(P>0.05)。

実際に効果が出る人はどれくらいか?

個人別に最小価値変化の基準を適用すると、反応者が最も多かったのは20%速度低下条件で19人中11人、つまり58%だった。ほかの条件ではそれより少なかった。

なぜ平均では効果が出なかったのか?

著者らは十分なウォームアップがすでにパフォーマンスの天井を作っている可能性を挙げている。体がすでに準備できているなら、重いスクワットを追加しても引き上げる余地が残らないという解釈だ。

筋力が強いほど反応しやすいか?

この研究では違った。相対筋力を平均中心化してモデルに投入したが、筋力×時間×条件の交互作用は有意ではなかった。反応の有無は筋力では説明されなかった。

自分が反応者かどうかはどう確かめるか?

自分で測るしかない。ウォームアップ後にジャンプを数回測って基準を取り、重いスクワットのあと3分と8分で測り直す工程を別々の日に何度か繰り返す。一貫して上がるなら反応者、方向がばらつくなら測定変動と見るのが妥当だ。

出典: PubMed

自分の筋力スコアを計算する

ビッグ3の記録と体重を入れるだけで、年齢と身長を補正した相対筋力スコアが出ます。登録不要・無料。