力-速度プロファイルは2点で足りる、荷重差が大きければ
要点
水平レッグプレスで体重の100〜300%を20%刻みで計11の荷重にわたって測る多点法と、100%の荷重に別の荷重を一つ組み合わせた10通りの2点法を比較した結果、荷重差が大きい4組(100%と240%、260%、280%、300%)が多点法とほぼ完全に相関した(r=0.906〜0.993)。逆に100%と120%のように荷重が近いほど一致度は下がった。2点法は荷重を十分に離しさえすれば全荷重検査の実用的な代替になる。
力-速度プロファイルはどんな刺激が必要かを決めるのに使われるが、結果が測定方法に大きく左右されるという問題がある。荷重を幅広くかけて全部測るのが定石で、そのぶん時間がかかる。今回の研究は2つだけ測れば足りるのか、足りるならどの2つかを確かめたものだ。
どう比較したのか?
男性16名(20.0±1.4歳、172.4±6.3cm、69.2±7.6kg)が空気圧人工筋を使う装置の水平レッグプレスで最大努力の動作を行った。荷重は体重の100%から300%まで20%刻みで11通りである。
ここから2種類のプロファイルを取り出して比較した。一つは11の荷重をすべて使う多点法、もう一つは100%の荷重に残りの荷重(120〜300%)を一つずつ組み合わせた10通りの2点法だ。
どの組み合わせが通用したか?
荷重差が大きい4組 — 100%と240%、100%と260%、100%と280%、100%と300% — が多点法とほぼ完全に相関した。相関係数はr=0.906〜0.993の範囲である。
逆方向の傾向も明確だった。2つの荷重が近いほど一致度が下がった。100%と120%のように接近した組み合わせは、100%と240%のように離れた組み合わせよりプロファイルのパラメータの妥当性が低かった。
なぜ荷重が離れている必要があるのか?
力-速度関係は2点を結ぶ直線として推定される。2点が近くに寄っていると、測定誤差がそのまま傾きに増幅されて乗る。離すほど同じ大きさの誤差が傾きを揺らす幅は小さくなる。今回の結果はその幾何が実際の測定でもそのまま現れることを示している。
この結果は空気圧人工筋を使う特定の装置の水平レッグプレスから得られたもので、参加者は男性16名だ。バーベルスクワットや他の器具にそのまま移せると断定はできない。ただし2点が離れているほど安定するという原理自体は装置に依存しない。
マッスルインデックスとどうつながるか
マッスルインデックスはビッグ3の1RMから計算され、1RMの推定もまた重量と反復回数という2点で直線を引く問題だ。同じ罠がある — 5回と6回のように接近した2セットで推定すると誤差が大きく乗る。軽い高反復セットと重い低反復セットのように十分に離れた2点を使うほうが安定する。
1RMを直接測らず推定値を入れるなら、マッスルインデックス計算機に入れる前にどのセットで推定したかを確認するとよい。最大試技なしで記録を扱う方法は最大試技ではなく反復でと高反復ラダーと最大筋力で扱った。
よくある質問
力-速度プロファイルは2つの荷重だけで測ってよいのか?
荷重差が十分に大きければよい。体重の100%と240〜300%を組み合わせた4組は、11の荷重をすべて使う多点法とほぼ完全に相関した(r=0.906〜0.993)。
どの2つの荷重を選ぶべきか?
測定できる範囲でできるだけ離れた2つだ。この研究では体重の100%と240%、260%、280%、300%の組み合わせが最もよく一致し、100%と120%のように近い組み合わせほど妥当性が下がった。
なぜ荷重が近いと不正確になるのか?
力-速度関係を2点を結ぶ直線として推定するためだ。2点が近いと各測定の誤差が傾きに大きく増幅されて乗り、離れるほど同じ誤差が傾きを揺らす幅は小さくなる。
この研究はどんな条件で行われたのか?
男性16名(20.0±1.4歳、172.4±6.3cm、69.2±7.6kg)が空気圧人工筋を使う装置の水平レッグプレスで、体重の100〜300%を20%刻みで計11の荷重に対して最大努力の動作を行った。
1RMの推定にも同じ原理が当てはまるのか?
構造は同じだ。1RMの推定も重量と反復回数という2点で直線を引く問題であるため、5回と6回のように近い2セットで推定すると誤差が大きく乗る。軽い高反復と重い低反復のように十分に離れた2点を使うほうが安定する。
出典: PLOS ONE