研究

クレアチニンによる腎機能の数値は、実際の障害の半分近くを見落とした

要点

片方の腎臓を摘出した小児117人を追跡した研究で、一般的なクレアチニンベースのeGFRで異常が拾えた割合は12.1%だった。ところが同位体(99mTc-DTPA)で実際の濾過率を測ると69.1%で低下が確認され、尿アルブミンと24時間自由行動下血圧を加えた複合基準では45.3%が腎機能異常だった。4検査すべてを受けた31人に限れば80.6%になる。クレアチニンは筋由来の代謝産物を通した間接的な推定であり、正常だからといって腎臓が正常だという意味にはならない。

インドのある三次医療機関が、ウィルムス腫瘍で片方の腎臓を摘出した小児がん生存者117人の腎機能を複数の方法で同時に測定した。結果は方法によってまったく違った。血中クレアチニンから計算したeGFRが90未満だったのは12.1%(116人中14人)にすぎず、同位体で実際のクリアランスを測った検査では69.1%(55人中38人)に低下が見つかった。

同じ腎臓なのになぜ結果が違うのか?

測っているものが違うからだ。クレアチニンは筋肉の代謝で生じる老廃物で、eGFRはその血中濃度に年齢や体格を入れて濾過率を推定する式にすぎない。一方の同位体検査は、標識物質が実際にどれだけ排出されるかを測定する。推定式は「クレアチニン産生量が平均的である」ことを前提にしており、その前提が崩れれば数値も一緒に崩れる。

代償性肥大は安心材料になるか?

ならない。この研究ではCTの容積測定で対側腎の代償性肥大が75%(48人中36人)に確認された。残った腎臓が大きくなって仕事を引き受けているということだ。それでも同位体による濾過率低下は69.1%に見られた。著者らが「無症候性のネフロン障害」と呼ぶのがこの点で、大きくなることと正しく濾過することは別の問題であり、片方の腎臓が過剰に働く状態そのものが長期的な負担になる。

リフターにこの話がなぜ関係するのか?

方向は逆でも原因が同じだからだ。クレアチニンが筋肉由来だということは、筋量が多いほど同じ腎機能でも血中クレアチニンが高く出るということを意味する。だから筋量の多い人は健康でもeGFRが低く計算されて驚くことが珍しくない。クレアチンの摂取も血中クレアチニンを上げうる。この研究はクレアチニンが障害を見落とす例を、リフターの健診はクレアチニンがない障害を作り出す例を示している。結論は一つだ — 検査票の1行で腎臓を判定しない。

では何を一緒に確認するのか?

  • 尿アルブミン/クレアチニン比 — この研究では12.5%(56人中7人)が微量アルブミン尿だった。血液の数値が正常でもここで先に拾えることがある。
  • 24時間自由行動下血圧 — 高血圧が8.3%(48人中4人)で確認された。外来での1回の測定では見落とす値だ。
  • シスタチンCベースのeGFR — 筋量の影響を受けにくい指標で、筋量の多い人の低いeGFRが本物かどうかを見分けるのに使う。

実用的な結論は短い。健康な腎臓を持つ人で高タンパク食が腎臓を壊すという根拠は弱いが、すでに機能が落ちている人では条件が変わる。そしてそのどちらであるかをクレアチニン1行で判断すると、両方向に間違える。タンパク質の摂取量を決めるときも、健診の数値が気になるときも、必要なのは1つの数値ではなく組み合わせだ。

この研究の対象は片方の腎臓を手術で摘出した小児がん生存者で、追跡期間の中央値は約41か月だ。腎臓が2つある成人リフターに割合をそのまま当てはめることはできない。ここから持ち帰るのは発生率ではなく検査方法の限界である。健診で腎機能の数値が気になったら自己判断せず、筋量とサプリの摂取状況を伝えたうえで医師に相談する。

よくある質問

筋量が多いとクレアチニンの数値は高く出るのか?

高く出る。クレアチニンは筋肉で生成される代謝産物なので、筋量が多いほど同じ腎機能でも血中濃度が高くなり、そこから計算したeGFRは低く出る。体組成を考慮せずこの数値だけを見ると、実際より悪く解釈されうる。

クレアチンを摂ると腎臓の検査結果が変わるのか?

血中クレアチニンが上がることがある。これは腎障害ではなくクレアチン代謝産物が増えた結果である可能性があるため、健診前に摂取していることを医師に伝えると正確な解釈につながる。

eGFRが正常なら腎臓は問題ないと言えるか?

そうは言えない。片方の腎臓だけで暮らす117人の研究では、クレアチニンベースのeGFRで異常が拾えたのは12.1%だったが、同位体で実際の濾過率を測ると69.1%で低下が確認された。正常なeGFRは障害がない証拠にはならない。

腎機能をより正確に見るにはどの検査を足すのか?

尿アルブミン/クレアチニン比、24時間自由行動下血圧の測定、そして筋量の影響を受けにくいシスタチンCベースのeGFRがよく併用される。この研究でもこうした検査を加えたことで異常の割合が12.1%から45.3%に上がった。

腎臓が1つでも大きくなれば機能は回復するのか?

サイズが大きくなる代償性肥大はよく起きるが、機能の正常化を意味しない。この研究では代償性肥大が75%で確認されたにもかかわらず、同位体による濾過率低下は69.1%に見られた。

出典: PubMed

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