水泳の筋力トレーニング、ベンチの変化と泳速度は別に評価する必要がある
執筆 fairlift 編集部
要点
地域レベルの競泳選手18人の6週間の研究では、週2回の筋力トレーニングを5週間行い、最後の1週間は水泳のみとした。ベンチプレスの力・速度曲線の傾きは力重視に変化したが、水中指標への有意な群間効果はなかった。陸上の変化と泳ぎの成果は別々に測る必要がある。
ベンチプレスの力・速度特性が変わっても、泳ぐ速さが向上したとは判断できなかった。2026年10月23日公開の研究抄録は、地域レベルの競泳選手18人を6週間比較し、陸上の適応をそのまま水中の成果と読み替えられないことを示した。
水泳だけの群と何が違ったのか?
| 群 | 6週間の構成 | 共通の評価 |
|---|---|---|
| 対照群 | 6週間、水泳のみ | 陸上の力・速度特性とクロールの負荷・速度特性 |
| 実験群 | 5週間は水泳に加えて週2回のベンチプレス・ラットプルダウン最大筋力トレーニング、最後の1週間は水泳のみ | 同じ評価と能動抵抗の推定 |
開始前の測定値を調整した分析で、有意な群間効果があったのはベンチプレスの力・速度曲線の傾きだけだった。傾きは力を発揮する側へ移行した。ただし、これは1RMが何kg増えたかを示す値ではない。抄録にはベンチプレス1RMの増加量が示されていないため、最大重量の上昇と同一視しない。
筋力は水泳にまったく役立たないのか?
泳速度、負荷、抵抗などの水中指標には有意な群間効果が認められなかった。判断できる範囲は18人、この構成、6週間に限られる。長期間の介入や別の選手にも転移がないと結論づける研究ではない。群と性別の交互作用も認められなかったが、すべての男女で反応が等しいという証明にはならない。
陸上と水中の記録をどう比較するか?
- 開始前に陸上と水中それぞれの評価項目を決める。水泳の目標には距離と測定条件も記録する。
- 期間中は挙上重量・回数と水泳の結果を分けて残す。ラットプルダウンの重量をビッグ3合計に加えない。
- 同じ条件で再測定し、両方の変化を比較する。ベンチの記録だけで泳力の向上を判定しない。
この手順は記録を読むための編集部の提案であり、実験で検証された処方ではない。fairliftのマッスル指数計算機はビッグ3の1RMを使うため、泳速度や水中抵抗を評価できない。実際にベンチ1RMが伸びたなら筋力の記録として残し、水泳の成果は水中で確認する。目標を妨げる要因に合わせる練習を考える際も、補助種目の進歩と競技の成果を分けると判断しやすい。
よくある質問
ベンチプレスが伸びると速く泳げるのか?
自動的に速くなるとは判断できない。18人を対象とした6週間の研究ではベンチプレスの力・速度曲線の傾きが変化したが、水中指標への有意な群間効果はなかった。
陸上の筋力トレーニングはどのような構成だったか?
実験群は水泳と併せて5週間、週2回のベンチプレスとラットプルダウンの最大筋力トレーニングを行い、最後の1週間は水泳だけを行った。対照群は6週間を通して水泳だけだった。
マッスル指数で水泳の向上を確認できるか?
マッスル指数はビッグ3の1RMに基づくため、水泳の成果指標ではない。泳速度など、目標に合う水中の測定結果を別に残す必要がある。