1RMの80%と30%で8週間トレーニングしても、血液が語ることはほぼ同じだった
要点
健康な若年男性17名を1RMの80%と1RMの30%の2群に分け、8週間限界までトレーニングさせ、空腹時血清をNMRで分析した。有意に変化した代謝物10個のうち5個(3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトン、イソ酪酸、乳酸)は両条件で同一に動いた — アミノ酸代謝回転とケトン体代謝という共通の適応である。負荷による差はコリン・グルコース・アラニンをまとめて見たときにのみ現れ、3つとも単独では有意でなかった。
重く少なく対軽く多く — 限界まで行けば筋肥大の結果が似るというのは、もはや目新しい話ではない。この研究は次の問いを立てた。見た目の結果が似ているなら、体の中で起きたことも同じなのか。
健康な若年男性17名が8週間のプログラムを終えた。高負荷群9名は1RMの80%、低負荷群8名は1RMの30%でトレーニングし、どちらもそれ以上レップが出ない地点まで行った。前後に空腹時血清を採取し、標的を定めないNMR分光法で代謝物全体を走査した。
両方の負荷で同じように動いたものは何か
有意に変化した代謝物は10個で、そのうち5個が両条件で一貫して動いた — 3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトン、イソ酪酸、乳酸である。前者はロイシンなど分岐鎖アミノ酸が分解される経路から、後者はケトン体代謝と解糖系から出る。つまり負荷に2.7倍の差があっても、アミノ酸代謝回転とエネルギー基質利用の再編は共通して起きた。
トレーニングした体としていない体は区別できたか
完全にできた。前後を分けるモデルの判別精度(AUC)は1.00で、最も寄与した物質は3-ヒドロキシイソ吉草酸だった。この物質はロイシン分解の中間産物である。8週間のレジスタンストレーニングが血液に残した痕跡はそれほど明瞭だったということだ。
負荷による差はどこにあったか
見つけにくかった。物質を1つずつ比較する方法では高負荷と低負荷を分けられなかった。コリン・グルコース・アラニンの3つをまとめて見たときにのみ判別でき(AUC 0.94)、決定的なことにこの3つはどれも単独では有意でなかった。負荷の痕跡はあるが微妙で、組み合わせでしか見えない。
トレーニングにどう適用するか
負荷選択の根拠を代謝に求める必要はない、ということだ。限界まで行くという条件が同じなら、重く行くか軽く行くかは関節の状態、使える時間、技術練習の必要で決めればよい。ただし1RMから計算されるスコアを追うなら話は変わる — 30%で限界まで行うトレーニングは筋肉を育てるが、重い重量を扱う技術そのものは練習されない。ボリュームと強度の釣り合いと低負荷トレーニングの限界で同じ問題を扱った。
参加者は17名(9名対8名)である。17名から出たAUC 1.00は、モデルがデータを覚えてしまった可能性を排除しにくい規模だ。著者らもこの結果を仮説生成用と明示し、独立したコホートで検証されるまで適用しないよう釘を刺している。
よくある質問
重い重量と軽い重量ではどちらが筋肉を大きくするのか?
限界まで行くなら、この研究では両負荷の血清代謝応答はほぼ重なった。有意に変化した10個のうち5個が両条件で同一に動き、負荷による差は3物質をまとめて見たときにのみ現れた。負荷は関節の状態と使える時間で決めるほうが実用的だ。
1RMの30%でトレーニングしても筋力は伸びるのか?
筋肥大は起きるが最大筋力には限界がある。この研究は筋力ではなく血清代謝物を見ており、負荷によらない共通の適応を確認した。重い重量を扱う技術は重い重量でしか練習できないため、1RMが目標なら高負荷セッションが要る。
3-ヒドロキシイソ吉草酸とは何か?
ロイシンなど分岐鎖アミノ酸が分解されるときに生じる中間産物だ。この研究ではトレーニング前後を分ける最も強い指標であり、レジスタンストレーニングがアミノ酸代謝回転を変える証拠として用いられた。
この結果をすぐトレーニングに適用してよいか?
早い。参加者が17名しかおらず、著者らが結果を仮説生成用と規定している。独立した集団で再現されるまでは、負荷選択の根拠にできる強度ではない。
出典: PubMed