加圧の軽負荷トレーニングは骨形成マーカーで高重量に及ばなかった — 8件のメタ分析
要点
成人211人が参加した8件の研究のメタ分析で、加圧の軽負荷トレーニング(LIBFR)は高重量レジスタンストレーニングより骨形成マーカーBSAPが平均2.72低く、骨吸収マーカーCTX-Iも0.08低く、骨密度には差がなかった。加圧なしの軽負荷トレーニングと比べるとマーカーに差はなく、骨密度は1件の研究でのみ高かった。すべての比較でエビデンスの確実性が「非常に低い」ため、骨のために高重量を加圧トレーニングに置き換える根拠はまだない。
加圧トレーニング(BFR)は1RMの20〜30%程度の軽い重量でも筋肥大を起こすことで知られる。では骨にも同じ恩恵があるのか。成人211人、8件の研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ分析は、骨代謝マーカーで加圧の軽負荷トレーニングが高重量トレーニングに及ばなかったとまとめた。
高重量トレーニングと比べて骨マーカーはどう違ったのか?
高重量レジスタンストレーニングと比べ、加圧の軽負荷トレーニングは骨をつくる側のマーカーであるBSAP(骨型アルカリホスファターゼ)が平均2.72低く、骨を分解する側のマーカーであるCTX-Iも0.08低かった。骨の入れ替わり(リモデリング)そのものが少なかったというシグナルに近い。ただし肝心の骨密度(BMD)は両者で差がなかった。
加圧なしの軽いトレーニングや運動なしと比べると?
- 加圧なしの軽負荷トレーニングと比べて — BSAPとCTX-Iに差はなく、骨密度は1件の研究でのみ0.04高かった。
- 運動しない群と比べて — CTX-Iは下がったが骨密度も低く出て、BSAPに差はなかった。
結果は互いに食い違っている。研究数が少なく参加者も211人にとどまるため、著者らはすべての比較でGRADE基準のエビデンスの確実性を「非常に低い」と評価した。
BIG3をやる人にとって何を意味するのか?
筋肉の面では加圧トレーニングは高重量の代わりになりうるが、骨の面ではまだその根拠がない。スクワットやデッドリフトのように大きな重量が全身を通る種目は骨に直接負荷をかける刺激で、その役割を加圧の軽負荷トレーニングが代わるという根拠はこの分析から出てこなかった。ケガや体調で重く挙げられない期間に加圧トレーニングを使うのは筋肉を守る手段と考え、体が許せばBIG3の記録を戻していくほうが骨にも合っている。加圧が筋肉に与える効果は加圧トレーニングは軽い重量でも高重量並みの筋肥大を起こす、骨密度のための強度と頻度は骨密度には中強度・週3回で扱った。
骨粗しょう症がある人や術後リハビリ中の人は、加圧トレーニングも高重量トレーニングも医療者に相談してから始める。
よくある質問
加圧トレーニング(BFR)は骨の健康にもよいのか?
8件の研究のメタ分析で、加圧の軽負荷トレーニングは高重量トレーニングより骨形成マーカーBSAPと骨吸収マーカーCTX-Iがともに低く、骨密度に差はなかった。確実性が非常に低いため、骨のために高重量の代わりになるとは言いにくい。
BSAPとCTX-Iは何を示すのか?
BSAP(骨型アルカリホスファターゼ)は骨が新しくつくられる度合いを、CTX-Iは骨が分解される度合いを示す血液マーカーだ。両方が低いと、骨の入れ替わりが少ないことを意味することが多い。
加圧トレーニングで骨密度は上がるのか?
結果は食い違った。骨密度は高重量トレーニングと差がなく、加圧なしの軽負荷トレーニングより高かったのは1件の研究だけで、運動しない群よりはむしろ低く出た。
このメタ分析の根拠はどれくらい信頼できるのか?
成人211人が参加した8件の研究だけが含まれ、著者らはGRADE基準ですべての比較のエビデンスの確実性を「非常に低い」と評価した。結論は慎重に解釈する必要がある。
出典: PubMed