体重比の筋力は重い階級ほど下がる、同じ倍数でも到達難度は異なる
執筆 fairlift 編集部
要点
体重比の筋力を一定の倍数で評価すると、階級による到達難度の差を見落とす。薬物検査を受けたクラシック競技者101,898人では、男性デッドリフトの99パーセンタイル推定値が59kg級の4.37倍から120+kg級の2.65倍へ低下した。合計に占める各種目の割合も階級によって変わるため、共通の倍数や種目比率だけで弱点を決められない。
体重が大きいほど、挙上重量を体重で割った値は非線形に低下した。 対象は薬物検査を受けた21〜49歳のクラシック・パワーリフター101,898人だ。各選手の自己最高成績を抽出し、現行IPF階級に分類して比較した。低下は50・75・90・99パーセンタイルのすべてで認められた。
体重の2倍のデッドは全階級で同じ水準か?
体重の2倍のデッド、1.5倍のスクワットを共通の合格線とすると、挙上重量が体重に比例して伸びることを前提にしてしまう。実際には体重比の低下は50パーセンタイルより99パーセンタイルで急だった。女性のベンチとスクワットも、体重に伴う倍数の低下が男性より急だった。
| 比較する指標 | 軽量階級 | 重量階級 |
|---|---|---|
| 男性デッド99パーセンタイルの平滑化推定値 | 59kg級:4.37倍 | 120+kg級:2.65倍 |
| 合計に占めるデッドの割合 | 約42〜45% | 約39% |
| 重量階級のスクワットの割合 | — | 約37% |
デッドの割合が小さければ弱点なのか?
重量階級では合計の約39%を占めるデッドと約37%のスクワットが近づいた。軽量階級のデッド比率を全員の理想にする根拠はない。この割合は競技成績の構成を示すもので、練習時間の配分や個人が合わせるべき目標ではない。種目間のバランスを見る際も、比較相手の階級を確認する必要がある。
自分のビッグ3をどう比較するか?
- 体重と各種目の最高1RMを併記する。
- 種目ごとの位置は同じ性別・階級の基準で読む。
- 合計は固定の体重比だけでなく、体重補正を使うスコアでも比較する。
fairliftのMuscle Indexは、単純な体重割りではなくDOTS方式の体重補正を使う。計算機でビッグ3を入力して確認できるが、この論文の種目別パーセンタイルとは別の値だ。基準点の選び方については世界記録の割合で作る筋力基準でも扱っている。
競技者の自己最高成績の分布である。99パーセンタイルの倍数は一般のトレーニーの目標や、特定の倍数に到達する正確な確率を示さない。体重に伴う変化の原因も、この分析だけでは確定できない。
よくある質問
体重の2倍のデッドリフトは全階級で同じ水準か?
同じとはいえない。競技者101,898人では体重比が非線形に低下し、男性デッドの99パーセンタイル推定値は59kg級で4.37倍、120+kg級で2.65倍だった。
重い階級では合計に占めるデッドの割合も下がるか?
軽量階級でデッドは合計の約42〜45%だったが、重量階級では約39%となり、スクワットの約37%に近づいた。観察された構成比であり、個人が合わせるべき数値ではない。
女性も体重が増えると筋力の倍数が下がるか?
この競技者データでは、女性のベンチとスクワットの倍数は体重に伴って男性より急に低下した。抄録には女性の各階級の具体的な倍数はない。
Muscle Indexはこの研究のパーセンタイルと同じか?
同じではない。fairliftのMuscle Indexはビッグ3合計にDOTS方式の体重補正を適用するスコアで、この研究の性別・階級・種目別パーセンタイルを直接表すものではない。
出典: PubMed (公開 )