少年の筋トレは9週間で力は伸びたが、筋厚には差が出なかった
要点
11〜14歳前後の男子68人が週2回の下半身筋トレを9週間行った無作為化比較試験で、トレーニング群はアイソメトリック・ミッドサイプル(IMTP)のピーク筋力が対照群より大きく伸びた(p=0.042)。一方、大腿四頭筋の筋厚は群間に差がなかった。思春期の前後での反応差は検出されなかったが、検出力は限られていた。若い年齢の筋トレでは、筋肉が大きくなるより先に力が伸びる。
研究チームが男子68人を、思春期前(平均11.58歳)と思春期(平均14.28歳)に分けた。成熟度は成長速度に基づく推定値(マチュリティオフセット)で区別した。それぞれをさらにトレーニング群と対照群へ無作為に割り付け、4群ができた。
何をしたか
トレーニング群は9週間、週2回の下半身筋トレを行った。対照群は普段のサッカー練習だけを続けた。筋力はアイソメトリック・ミッドサイプル、筋肥大は筋厚で測った。つまり1RMではなく、静止した状態で出せる最大筋力を見た研究だ。
筋力は伸びたか
伸びた。ピーク筋力で時間×介入の交互作用が有意で(p=0.042)、トレーニング群の向上が大きかった。若い年齢の筋力向上は主に神経系の適応によるとされており、この結果もその見方と矛盾しない。
筋肉は厚くなったか
明確な差はなかった。大腿直筋・中間広筋の筋厚(p=0.295)と外側広筋の筋厚(p=0.711)のいずれも、時間×介入の交互作用は有意でなかった。成熟度を加えた3要因の交互作用も有意ではなかったが、著者らはこの分析の検出力が限られていたと述べている。「差がない」というより「この研究では見分けられなかった」に近い。
この結果をどう読むか
9週間は短く、下半身の1つのプロトコルだけを使った研究だ。結論はこのプロトコルが思春期の前後の男子のピーク筋力を高めたというところまでで、筋肥大が起きるかや長期的にどうなるかは、この結果では断定できない。指導する側は、力が先に伸び、鏡に見える変化は遅れて来ると見通しを合わせておけばよい。
筋力は鏡より先に記録に現れる。だから実感のない時期でも記録を残し続ければ成長を確認できる。同じプログラムでも反応が人によって割れる理由は同じプログラムを12週間やっても結果は人それぞれで扱った。
この研究の測定は1RMではなく等尺性の筋力だった。若い人に最大重量の試技を勧める根拠ではなく、トレーニングは資格のある指導者の監督のもとで行うのが前提だ。
よくある質問
思春期前の子どもも筋トレで筋力が伸びるか?
この試験では、思春期の前後を合わせたトレーニング群のピーク筋力が対照群より有意に大きく伸びた(p=0.042)。思春期の前後の反応差は検出されなかったが、検出力は限られていた。
少年の筋トレで筋肉は大きくなるか?
この研究では、大腿四頭筋と外側広筋の筋厚はトレーニング群と対照群で有意に変わらなかった。9週間と短い期間である点も考慮が必要だ。
若い年齢で力が伸びるのはなぜか?
若い年齢の筋力向上は主に神経系の適応によるとされる。思春期前の青少年で筋肥大が起きるかの根拠は、まだ一貫していない。
研究ではどんなトレーニングをしたか?
9週間、週2回の下半身筋トレを行い、対照群は普段のサッカー練習を続けた。筋力はアイソメトリック・ミッドサイプルで測定した。
出典: PubMed