高齢者の筋トレ効果、1年後の膝伸展筋力で高反応だったのは46%
執筆 fairlift 編集部
要点
高齢者の筋トレ効果には個人差があった。12か月の複合運動後、288人のうち膝伸展筋力の高反応者は46%、握力は27%で、四肢除脂肪量の平均変化は有意ではなかった。筋力トレーニングへの参加度が高いほど複数指標での高反応と関連したが、原因とまではいえない。
12か月の運動後、膝伸展筋力の高反応者は46%、握力では27%だった。 同じ期間のプログラムでも、変化は一様ではなかった。集団の平均が改善したという結果だけでは、自分がどれだけ伸びたかは分からない。
どれだけ伸びれば高反応なのか?
判定には最小有益変化量(SWC)を使った。各指標の開始時点の標準偏差 × 0.2を個人の変化量が超えれば高反応となる。20%の改善という意味ではなく、基準未満なら効果がなかったとも断定できない。個人の分類と平均値の有意な変化は別々に読む必要がある。
| 指標 | 高反応者の割合 | 平均の有意な改善? |
|---|---|---|
| 握力 | 27% | あり、p < 0.01 |
| 膝伸展筋力 | 46% | あり、p < 0.01 |
| 歩行速度 | 30% | あり、p < 0.01 |
| 歩行距離 | 44% | あり、p < 0.01 |
| 四肢除脂肪量 | 17% | なし |
複数の指標で伸びた人には何が関連したか?
全体の46%が2〜5指標で高反応だった。この分類に関連するオッズ比は、多疾患併存が2.60(95% CI 1.47–4.59)、年齢が0.90(0.84–0.96)、BMIが0.94(0.88–0.99)、筋力トレーニングへの参加度が1.03(1.01–1.04)だった。年齢が若く、BMIが低く、参加度が高いほど高反応のオッズが高かった。抄録には増分の単位がなく、年齢1歳や参加率1ポイント当たりの効果には換算しない。
多疾患併存者で反応が高かった理由として、改善の余地が大きかった可能性は考えられる。ただし、これは解釈であり、確認された仕組みではない。疾患が増えるほど運動効果が高まるという因果関係は示していない。
自分の運動効果をどう確かめるか?
- 集団平均ではなく、自分の開始時点からの変化を比べる。
- 筋肉量だけでなく、筋力と歩行も測る。
- 自分で取り組める要因として、運動への参加度を記録する。
- 再測定の間隔を決めて同じ指標を追う。この間隔は研究が検証した処方ではない。
fairliftに1RMを継続して記録すれば、自分の変化の曲線を追える。Muscle Index計算機には40歳以上のマスターズ向けの年齢補正があるが、歩行評価の代わりにはならない。指標ごとの違いはサルコペニアの運動研究も参考になる。
地域在住者314人、平均74.5 ± 3.8歳を身体運動群と身体・認知運動群に無作為に割り付けたRCT内の観察的二次解析である。前後の測定に参加した288人を割り付け群にかかわらず分析した。身体運動は筋力・歩行・バランス・柔軟性、認知運動は実行機能の課題から成る。関連性の分析であり、抄録には重量・セット数・頻度の記載がない。
よくある質問
高反応でなければ運動効果はなかったのか?
そうは断定できない。この研究では個人の変化量が開始時点の標準偏差の0.2倍を超えると高反応に分類したため、それより小さい改善は基準未満となり得る。
筋肉量が増えなくても筋力は改善するのか?
この解析では四肢除脂肪量の平均変化は有意ではなかったが、握力と膝伸展筋力は平均で有意に改善した。高反応者は四肢除脂肪量で17%、握力で27%、膝伸展筋力で46%だった。
疾患が多いほど運動効果が大きいのか?
多疾患併存は2〜5指標の高反応の高いオッズと関連した(OR 2.60、95% CI 1.47–4.59)。改善の余地が大きかった可能性は解釈であり、疾患が高い反応を引き起こしたという証拠ではない。
自分の反応を知るには何を記録するか?
開始時点と一定間隔での筋力・歩行の測定値に、運動参加の記録を合わせる方法を提案する。リフターはfairliftの1RM記録も活用できるが、この研究がビッグ3やMuscle Indexを評価したわけではない。
出典: PubMed (公開 )