血流制限と高負荷筋トレの併用群で全測定項目が改善した
要点
卓球選手30人を対象とした単盲検ランダム化比較試験では、週3回、8週間の併用群だけが全測定項目でp < 0.01の改善を示した。単独群より改善が大きい傾向はあったが、各群は約10人で、1RMは測定していない。
軽負荷の血流制限と高負荷の筋力トレーニングを併用した群だけが、膝屈曲・伸展の最大トルク、スクワットジャンプとカウンタームーブメントジャンプの高さ、最大力発揮率、打球効果のすべてでp < 0.01の改善を示した。単盲検試験で卓球選手30人を3群に無作為に割り付け、週3回、8週間実施した。開始時の群間差は有意ではなかった(p > 0.05)。
血流制限だけ、高負荷だけでも改善したのか?
軽負荷の血流制限群では左膝伸展トルクがp < 0.01、スクワットジャンプ、最大力発揮率、フォアハンドのトップスピンドライブ効果がp < 0.05で改善した。高負荷群では左膝伸展トルクがp < 0.01、左膝屈曲と右膝屈曲・伸展トルク、カウンタームーブメントジャンプ、最大力発揮率、フォアハンドの下回転に対するドライブ効果がp < 0.05で改善した。単独の方法にも変化があった。
併用が最も優れていると言えるのか?
群内の改善と群間の優越性は別の話だ。 著者らの結論は、併用群の改善が大きい傾向だった。p値が小さいだけで効果量が大きいとは言えない。各群約10人の卓球選手による結果であり、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの1RMやfairliftの相対筋力スコアは測定していない。
ビッグ3のメニューとfairliftの記録にどう生かすか?
実践上の編成例は、高負荷の主種目を先に行い、その後に軽負荷の血流制限の補助種目を置く方法だ。この順番を試験が検証したわけではない。抄録には正確な重量やカフ圧がなく、特定の%1RMや圧力を指定する根拠にはならない。
fairliftではビッグ3と血流制限の補助種目を別項目にして、重量・セット・回数を記録しよう。週のボリュームと次回の主種目の出来を併せて見れば、追加量を調整しやすい。補助種目の回数が増えても、ビッグ3の1RMを基にする相対筋力スコアの上昇と同じではない。
血流制限にはカフを使用する。血栓・凝固の問題や血管疾患がある場合は、実施前に医療者へ相談しよう。
よくある質問
併用トレーニングでは何が改善したのか?
卓球選手の8週間の試験では、併用群の膝屈曲・伸展最大トルク、スクワット・カウンタームーブメントジャンプの高さ、最大力発揮率、打球効果がすべてp < 0.01で改善した。全測定項目でこの基準を満たしたのは併用群だけだった。
併用は単独トレーニングより明確に優れているのか?
著者らが示したのは改善が大きい傾向であり、各群約10人の小規模な試験だ。群内のp値だけでは群間の優越性や効果量を判断できない。
ビッグ3と血流制限の補助種目はどう記録するか?
fairliftに重量・セット・回数を別々に記録し、週のボリュームを確認するのが実践例だ。高負荷の主種目の後に軽い補助種目を置く方法も一例であり、この試験は最適な順番やビッグ3の1RM向上を証明していない。
この研究からカフ圧や重量を決められるか?
抄録には正確なカフ圧と重量がないため、その数値を処方する根拠にはできない。血栓・凝固の問題や血管疾患がある場合は血流制限の実施前に医療者へ相談しよう。
出典: PubMed