RED-Sとは何か 食べずに追い込むと筋肉より先に記録が止まる
執筆 fairlift 編集部
要点
RED-S(スポーツにおける相対的エネルギー不足)は、食事からのエネルギーがトレーニングと日常生活の消費を長期間まかなえないときに起き、最初のサインは抜けない疲労、続いて疲労骨折・免疫低下・ホルモンの乱れ・記録の停滞が現れる。Men's Healthで管理栄養士Albert Mathenyが示した下限は体重1kgあたり1日30kcalで、体重82kgの男性なら約2,450kcalになる。GLP-1系の薬を使いながら高強度の練習を新しく始める人は特にこの線を割りやすい。
減量しながら練習量を増やし、何週間も重量が動かないなら、根性より先に燃料を疑うべきだ。Men's Healthが取り上げたRED-S(Relative Energy Deficiency in Sport)は、摂取と消費のずれが長く続いた状態を指す。少しのカロリー不足ではなく、慢性的に食べ足りないまま高い出力を求め続けることが本質だ。
RED-Sになると体に何が起きるのか?
トレーナーのDani Singerは、抜けない深い疲労を最初の警告に挙げる。回復に回すエネルギーがないため、使いすぎによるケガや、骨密度低下による疲労骨折が起きやすくなる。
- いつも寒く感じる体温調節の乱れ
- 免疫の低下とホルモンバランスの乱れ
- 筋肉も技術も伸びない完全な停滞
管理栄養士のAlbert Mathenyは、この状態をスマホの省電力モードにたとえる。呼吸・ホルモン生成・細胞の修復など生きるための機能を優先し、筋肥大やパフォーマンスは後回しになる。
1日に最低どれだけ食べればいいのか?
Mathenyが引用する下限は体重1kgあたり1日30kcalだ。体重82kgの男性なら最低でも約2,450kcalになる。これは目標ではなく底であり、練習量が多ければさらに必要になる。
リスクを押し上げている背景は二つある。休まず追い込む高強度トレーニングの流行と、GLP-1系の薬だ。Singerによると、この薬は空腹感を大きく抑えるため、1日800〜1,000kcalしか食べなくても満腹に感じることがある。薬と練習指標の関係はGLP-1とトレーニングの記事で扱った。
記録のどこにサインが出るのか?
Singerが勧める判断基準は体からのフィードバックだ。いつも疲れている、軽い練習のあとに何日も筋肉痛が残る、練習する気が起きない。これらは燃料不足を疑うサインだ。fairliftで体重とビッグ3の記録を並べて残せば、このサインを数字で見られる。体重が急に落ちているのにビッグ3合計が何週間も横ばいなら、プログラムを変える前に食事量を書き出してみよう。タンパク質は回復に、炭水化物は練習の燃料に、というのが二人の専門家に共通する助言だ。
疲労骨折が疑われる痛み、月経の変化、急激な体重減少があれば、まずスポーツ栄養士や医師に相談しよう。RED-Sは自分でカロリーを足すだけでは解決しないこともある。
よくある質問
RED-Sとは何か?
RED-S(スポーツにおける相対的エネルギー不足)は、食事からのエネルギーが運動と日常生活で使うエネルギーを長期間まかなえない状態だ。通常の減量のためのカロリー不足より深刻で、疲労・ケガ・ホルモンの乱れ・記録の停滞につながる。
RED-Sを避けるには1日に最低何kcal食べればいいのか?
Men's Healthで管理栄養士Albert Mathenyが引用する下限は、体重1kgあたり1日30kcalだ。体重82kgの男性なら最低約2,450kcalで、練習量が多ければさらに必要になる。
RED-Sの最初の症状は何か?
トレーナーのDani Singerは、抜けない深い疲労を最初の警告サインに挙げる。続いて常に寒い感覚、体調を崩しやすくなる、疲労骨折、筋力と技術の停滞が現れることがある。
GLP-1系の薬を使いながら運動するとRED-Sのリスクは上がるのか?
上がることがある。GLP-1系の薬は空腹感を強く抑え、1日800〜1,000kcalしか食べなくても満腹に感じることがあるため、高強度の練習を新しく始めると摂取が消費を大きく下回りやすい。