ハムストリングスの種目選び、カールとヒンジでは育つ筋肉が異なる
執筆 fairlift 編集部
要点
ノルディックでは半腱様筋の体積が+24.4%、スティッフレッグデッドリフトでは半膜様筋が+11.2%と、成長の集中先が異なった。ヒンジに膝屈曲種目を組み合わせる根拠になるが、座位レッグカールで測ったのは急性の損傷指標であり、同じ筋肥大を証明したわけではない。
ノルディックで成長が集中したのは半腱様筋(ST、体積+24.4%)、スティッフレッグデッドリフト(SLD)では半膜様筋(SM、+11.2%)だった。同じハムストリングスの種目でも、肥大の分布は異なった。研究では大腿二頭筋長頭(BFlh)も比較している。
座位レッグカールでも同じ筋肥大が確かめられたか?
座位で行う等速性レッグカールは急性実験だけの対象だった。損傷は硬さを表すせん断弾性率の変化、長期の筋肥大は筋体積で評価した。運動直後の指標と長期の成長を同じ割合として読むことはできない。
| 種目 | 急性のせん断弾性率変化 | 長期の筋体積変化 |
|---|---|---|
| 座位の等速性レッグカール | ST +62.2%で最大 | 測定なし |
| ノルディック | ST +33.0%で最大 | ST +24.4% |
| SLD | SM +16.0%、ST −9.0%、BFlh +11.4% | SM +11.2% |
SLD後のせん断弾性率には筋間の有意差がなかった。STの−9.0%も筋体積が減ったという意味ではない。レッグカールの急性反応はSTへの偏りを示すが、市販の全マシンで同じ成長が起こるとまでは言えない。
膝屈曲とヒンジで結果が分かれるのはなぜか?
筋電図を反映したモデルは、筋の活動、動作中の長さ、力を推定した。膝屈曲種目の適応差は主にSTの長い作動長と、それより小さい程度で力に関連した。一方、SLDのSMの適応は筋間の力の差では説明できなかった。予測モデルが最も損傷した筋を当てたのは82%、最も肥大した筋では75%の事例だった。個人の成長確率を示す数値ではない。
ビッグ3のメニューには何を併記するか?
- ヒンジと、ノルディックまたはレッグカールの膝屈曲を組み合わせる。研究結果を編成に応用する提案だ。
- fairliftに種目別の重量・セット数・反復数を残し、膝屈曲の練習が抜けていないか確認する。
- ビッグ3とMuscle Indexは筋力の記録として読み、筋ごとの成長判定には使わない。
RDLはヒンジ種目の編成例だが、SLDの筋肥大率をそのまま当てはめることはできない。デッドリフトが強くても、膝屈曲を練習した証拠にはならない。組み合わせの最適量もこの研究からは決まらない。
よくある質問
ノルディックとスティッフレッグデッドリフトではどの筋が育ったか?
長期実験ではノルディックで半腱様筋の体積+24.4%、スティッフレッグデッドリフトで半膜様筋+11.2%と成長が集中した。他の筋が全く成長しなかったという意味ではない。
レッグカール後の+62.2%は筋肥大の数値か?
違う。座位の等速性レッグカール後の半腱様筋のせん断弾性率増加で、急性損傷の評価に用いた指標だ。レッグカールは長期の筋肥大実験には含まれていない。
デッドリフトが強ければ膝屈曲種目を省いてよいか?
ビッグ3の記録だけでは、膝屈曲の練習歴やハムストリングス全体の成長は分からない。ヒンジとノルディックまたはレッグカールを組み合わせ、種目ごとの練習量を記録するのが実践への応用だ。
ルーマニアンデッドリフトにも同じ成長率を使えるか?
そのまま使うことはできない。半膜様筋の体積+11.2%はスティッフレッグデッドリフトの結果だ。RDLはヒンジをメニューに入れる例であり、この数値を検証した種目ではない。
出典: PubMed (公開 )