タンパク質目標を2.2g/kgにしても、12週の筋肉量に差は出なかった
要点
40〜77歳の女性108人に1日0.8・1.6・2.2g/kgのタンパク質目標を割り当てた12週間の試験では、完全データがある83人の解析でBIA推定骨格筋量へのタンパク質の効果は検出されなかった。筋トレのみのRT群は自転車運動を加えたCT群よりレッグプレス推定1RMが6.68kg高かったが、若いリフターの必要量やビッグ3の成績を決める結果ではない。
タンパク質の目標を1日0.8g/kgから1.6g/kg、2.2g/kgへ引き上げても、12週後のBIA推定骨格筋量に差は見つからなかった。体組成計の筋肉量を増やそうと摂取目標を高くしても、この対象者と期間では追加の効果を確認できなかった。
誰が、どのような条件で比べられたのか?
参加者は40〜77歳の女性108人。筋トレのみのRTと、同じ筋トレの後に自転車運動を行うCTに分け、さらに3通りのタンパク質目標を割り当てた。指導下で12週間実施し、完全データがそろった83人を解析した。主要評価項目の骨格筋量では、タンパク質、運動条件、両者の交互作用のいずれも効果は検出されなかった。比較したのは割り当てられた目標量であり、全員の実際の摂取量がその数字と一致したという意味ではない。
自転車運動を加えると、どの数字が変わったのか?
- 開始時の値を調整した12週時点の体脂肪率は、CTがRTより2.04ポイント低かった。
- 同じ比較でレッグプレス推定1RMは、RTがCTより6.68kg高かった。
- 自転車運動から推定したVO2maxは、CTがRTより4.53mL/kg/min高かった。
この集団では、自転車運動を加えた群はレッグプレスの筋力で不利だった。一方で推定心肺体力と体脂肪率では有利な結果となった。ただしCTは総運動量も多く、運動の種類だけでは差を説明できない。評価する指標を分ける考え方は、有酸素運動と筋トレの違いを読む際にも役立つ。
ビッグ3の記録には何を書き添えるべきか?
今回の筋力の差に結びついたのは、タンパク質目標より運動条件だった。fairliftでビッグ3や相対筋力スコアを追うなら、自転車運動を追加した時期も記録しておきたい。レッグプレスの推定値の差を、スクワットで失う重量に置き換えることはできない。栄養面では1日のタンパク質目標とホエイの補充量を分けて考えよう。
差が検出されなかったことは、0.8・1.6・2.2g/kgの効果が同等だという証明ではない。BIAによる筋肉量は推定値だ。40〜77歳の女性の12週間の結果だけで、若いリフターにも0.8g/kgで十分だとは結論づけられない。
よくある質問
1日2.2g/kgのタンパク質は0.8g/kgより筋肉を増やしたのか?
40〜77歳の女性を対象とした12週間の試験では、0.8・1.6・2.2g/kgの割り当て目標によるBIA推定骨格筋量の差は検出されなかった。108人のうち、完全データによる解析には83人が含まれた。
自転車運動を追加すると筋力が落ちるのか?
この試験では、同じ筋トレに自転車運動を加えたCT群の12週時点のレッグプレス推定1RMは、開始時の値を調整するとRT群より6.68kg低かった。個人の筋力が開始時より落ちたという意味ではなく、CT群は総運動量も多かった。
自転車運動を追加した群では何が良くなったのか?
40〜77歳の女性の12週間の試験では、開始時の値を調整すると、CT群はRT群より体脂肪率が2.04ポイント低く、自転車運動から推定したVO2maxは4.53mL/kg/min高かった。
この結果を若いビッグ3リフターに当てはめてもよいのか?
40〜77歳の女性の12週間の結果だけでは、若いビッグ3リフターのタンパク質必要量は決められない。筋力差が見られた指標も、ビッグ3の合計ではなくレッグプレス推定1RMだった。
出典: PubMed