セットを半分に分けても、スクワット1RMと筋肥大は限界セットと同じだった
要点
トレーニング経験のある18歳前後のハンドボール選手30人が、7週間の下半身トレーニングを毎セット限界まで行うか、同じ総レップ数を2倍のセット数に分けて(スプリットセット)行った。スプリットセット群はトレーニング中の平均推進速度が速く、スクワットジャンプの最大パワーが伸びたが(効果量0.52)、バックスクワット1RM、大腿四頭筋の断面積、20m・方向転換スプリント、ジャンプ&リーチは限界セット群より向上しなかった。
毎セットを限界まで追い込まなくても、筋力と筋肉の大きさは損をしなかった。トレーニング経験のあるハンドボール選手30人(平均18歳、女性8人・男性22人)を7週間比較した研究で、同じ総レップ数を2倍のセット数に分けたグループは、スクワット1RMと大腿四頭筋の断面積で限界セットのグループと同じ水準だった。
スプリットセットは限界セットと何が違うのか?
- 限界セット — すべてのセットをこれ以上挙がらなくなるまで行った。
- スプリットセット — 総レップ数は同じにして、レップを半分ずつに分けセット数を2倍にした。3セット×10回の代わりに6セット×5回に近い。
- 測定項目はバックスクワット1RM、スクワットジャンプの力-速度プロファイル、片脚ジャンプ&リーチ、20m・方向転換スプリント、超音波で測った大腿四頭筋の断面積だった。
何が変わり、何が同じだったのか?
トレーニング中の平均推進速度はスプリットセットの方がはっきり速かった。7週間後にスクワットジャンプの最大パワーが伸びたのもスプリットセット群だけだった(効果量0.52)。しかしバックスクワット1RMと筋肉の大きさは両群で同じように変化し、ジャンプ&リーチ、20mスプリント、方向転換の記録はどちらの群も意味のある変化がなかった。
BIG3のトレーニングにはどう使うか?
筋力と筋肥大が目的なら、セットを分けて限界を避けても同じ結果が期待できる。1レップごとにバーが速く動くのでフォームが崩れにくく、次の種目に残る疲労も少ない。記録はセット数ではなく総レップ数と重量を基準に残すと、限界セットの記録と公平に比べられる。セット内の休憩で速度を保つ方法はクラスターセットのメタ分析で、限界の手前で数回残す効果はRIRと限界トレーニングの比較で扱った。
参加者はシーズン中の若いハンドボール選手で、期間は7週間と短かった。長年トレーニングしているパワーリフターで同じ結果になるかは確かめられていない。
よくある質問
スプリットセットとは何か?
総レップ数はそのままに、1セットのレップを半分にしてセット数を2倍にする方法だ。3セット×10回を6セット×5回にすると、各セットが限界から遠くなる。
限界まで追い込まないと筋力は伸びにくいのか?
この研究ではそうではなかった。ボリュームをそろえた7週間の比較で、スプリットセット群のバックスクワット1RMと大腿四頭筋断面積の増加は限界セット群と差がなかった。
スプリットセットの利点は何か?
トレーニング中の挙上速度が速く、スクワットジャンプの最大パワーが伸びたのはスプリットセット群だけだった(効果量0.52)。ただしスプリントやジャンプ&リーチなどの競技パフォーマンスは向上しなかった。
この結果は誰を対象にしたものか?
トレーニング経験のある18±2歳のハンドボール選手30人(女性8人、男性22人)を対象に、シーズン中の7週間、下半身トレーニングを比較した結果だ。
出典: PubMed